Tableau で政令指定都市
皆さんこんにちは。Tableau で地図を利用していると、「あれ?」って現象よく起きませんか。最も聞かれるのは「名古屋市 (神戸市、広島市 etc) が表示できないんです」という声。実はこれ、政令指定都市に起因する問題なんです。今回は Tableau で政令指定都市を扱う際の具体的な方法と注意事項を確認していきましょう。
そもそも政令指定都市とは
政令指定都市は現在 20 市が該当し、市でありながら行政区を持つちょっと特別な区です。詳細は ja.wikipedia.org を確認してください。
とりあえず政令指定都市を表示する
Tableau で地図を利用するとき、データに対して地理的役割を設定する、というのはご存知だと思います。
基本的な考え方として、地理的役割の「市区町村」は点で表記するとき、「郡」はポリゴン表記をしたいときに設定します。ここでは埼玉県を例にしてみていきます。
こんなデータがあったとします。数字は図書館の数です。埼玉県はさいたま市のみが政令指定都市です。
市区町村のデータに対して、地理的役割「市区町村」を付与すると地図上の点として表現できます。
市区町村のデータに対して、地理的役割「郡」を付与すると、ポリゴン地図として表現できるはずなのですが、さいたま市が消えてしまいます。
消えたさいたま市を復活させるにはどうしたらいいかというと、まずは行政区を含むデータを用意する必要があります。
この行政区を含むデータに対して、地理的役割「郡」を付与します。すると、消えたはずのさいたま市が復活します笑
政令指定都市をひと固まりで表示する
政令指定都市をポリゴンで表示する方法はお分かり頂けたと思いますが、データの集計上、市単位で表示したいということはよくあると思います。ここでは政令指定都市をポリゴンかつひと固まりで表示する方法について記載します。
基本方針はデータのグループ化
Tableau では、地図上の領域をまとめて表示する機能があります。具体的な方法は下記のオンライン ヘルプにあります。
help.tableau.com
このオンライン ヘルプでは 3 つの方法が紹介されてまして、政令指定都市の表示でも同じ方法を使用することができます。ところが、明確な理由は不明なんですが*1、オプション 1 はうまくいくのですが、オプション 2 と 3 は表示には成功するのですが、都道府県でフィルターをかけると想定外の動作になります。*2
そのため、オプション 1 について見ていきます。
最初に地図上でグループ化することが重要
オプション 1 ってどんな方法かというと、地図上で領域を複数選択してグループ化するというやり方です。
さいたま市の場合、さいたま市xx区を全部選択して、クリップマークのグループ化を選択するだけなのですが、グループ化する詳細レベルを選択できます。*3ここで、都道府県と市区町村の両方のレベルが含まれている方を選ぶことが重要です。*4
そのあとグループの編集が必須
グループ化したら OK のような気もしますが、残りの政令指定都市どうすんの、ということでグループの編集をします。ここで重要なのは「’その他’を含める」オプションを外すこと。やらないと正しく表示できません。残りの政令指定都市はぽちぽちグループ化していってください。*5名前は編集しちゃって大丈夫です。
完成!!
これで、Viz 上の詳細レベルをグループ化した方のデータに置き換えれば完成です。お疲れ様でした。
参考 Viz
せっかく政令指定都市を表示する Viz を作成したので貼り付けておきます。ご参考まで!