データ可視化のアイデア帳

データ可視化にまつわるあれこれ

Tableau Desktop Certified Professional 受験と合格は戦略が重要!

Tableau Certified Professional (以下 CP) 受験して早 3 か月、もはや記憶が曖昧な部分もあるので参考程度にしかならないのですが誰かの役に立てばという趣旨の記事です。受験の方法などは他にも記事を出されてる方がいらっしゃるので端折ります。試験の内容もサンプルがあるので見ておいてください。ちなみに合格の連絡が来るまでは結構待ちます。最短で 1 か月、私はおよそ 8 週間待ちました。

全体概要

Tableau CP は 試験時間が 3 時間プラス準備時間という非常に長い試験です。
セクションはざっくり 3 つで、それぞれに戦略があります。戦略そのものは後述するとして、とにかく気をつけたいのが配点比重と時間配分です。気がついたら時間がなくなっていたということを防ぐために、自分で 1 枚あたりにかける時間をある程度決めておくことをお勧めします。試験問題にも時間の目安が書いてあるのですが、試験中はそれどころじゃないのでざっくりでも頭に入れておくのがおすすめです。

セクション構成

  • セクション 1 - チャートの修正数問と LOD 関連 1 問
  • セクション 2 - ダッシュボードを作成するための Viz 作成とダッシュボード作成
  • セクション 3 - ストーリーの作成

配点比重は、セクション 2 と 3 で 65% だったか 70% なので極論するとセクション 1 を捨てても合格できます。ところが、セクション 1 もやろうと思えばいくらでも時間をかけられてしまうので気がついたらセクション 3 のストーリー作成が全然できなかった。。という話を何回か耳にしました。ストーリー作成が全く未着手で合格したという話は聞かないので、とにかくセクション 2 と 3 は確実にやり切るというのを目標にしましょう。

従って、最も時間を割くべきは実はセクション 2 です。セクション 3 はセクション 2 さえできていればそんなに時間をかけずにやり切ることができます。特にセクション 1 にそんなに時間をかけないのが肝心です。特に 30 分以上かかってるなと思ったら一旦やめて セクション 2 以降に進むべきです。

問題を始める前に

試験が始まる前に気をつける、というか私がハマった失敗を書いておきます。。。インストラクションにはちゃんと書いてあるのですが、緊張と英語のフォントが小さいせいで見落としました。
試験では データとワークブックが格納された色の名前のフォルダーを指定されます。*1そのフォルダーにある Zip ファイルをパスワードで解凍して問題に挑みますが、*2問題始める前に (仮想デスクトップの) デスクトップ にフォルダーの中身を必ずコピーしましょう。私はコピーしないまま試験を始めて途中でデータに接続できなくなり、敢えなく再受験の運びとなりました。*3

各セクションの戦略について

セクション 1 - チャートの修正数問と LOD 関連 1 問

セクション 1 は既にある Viz をビジュアル アナリティクスのベスト プラクティスに従って修正するというものと LOD のちょっと複雑な計算式を書いて Viz を作成するというものです。前述の通りここに時間をかけるわけにはいかないので、悩まなくて済むよう基本方針を決めておきます。繰り返しになりますが、時間はトータルで 30 分以内が目標です。

Viz の修正について。

1. まず問題の内容を読んでどのチャートに変更するか決める
どのチャートが適切かはこのブログにまとまってるので、参考にするといいかと思います。
都合 2 回分このセクションの試験を受けた感触からすると、2 つの指標を 1 つの Viz で表示する (=散布図) や 時間の経過をまとめる (=線グラフ) は頻出のようです。*4

2. 色、形状の変更を行う
問題を読むと、特定の指標やディメンションがわかるようにせよ、と書いてあるのでそれらが強調されるようにします。色は悩むのが馬鹿馬鹿しいので、強調する色と強調しない色を予め決めておきます。私は強調する色強調しない色で決め打ちしてました。量の多寡を色で示す場合はデフォルトの青とオレンジの分化で良いです。
形状の変更は線グラフの場合は強調する線を太くします。散布図の場合はサイズの変更または形状を強調したいところだけ変えるなどです。そんなに凝らなくて大丈夫だと思われます。

3. ラベル、ツールヒント、タイトルまたはキャプションの修正を行う
地味に重要なのがこのステップです。過去受験した人の話を総合すると、これをやっているかどうかで合否が変わったりするという説も。*5フォントはお好みのもので。*6

  • ラベル

強調するディメンション、値などにだけラベル入れましょう。余分な箇所にラベル入ってるとそもそも見づらいです。リファレンス ラインのラベルも調整しましょう。*7

  • ツールヒント

ツールヒントは必ず編集しましょう。とはいえ色に凝ったりする必要はありません。マークが何かわかる情報 (ディメンション名や年など) をタイトルっぽく入れるのと、必要なメジャーを残す、不要な情報は削除する位で大丈夫かと思います。

  • タイトルまたはキャプション

その Viz が「何を説明しているのか」「どこを見るべきか」という情報を含める形でタイトルまたはキャプションをつけます。問題によってキャプションを表示しろなど書いてあるのでその指示に従います。*8

  • 軸の編集

自動の軸範囲だと目盛りが細かすぎて見づらい、見切れるなどが発生している際には編集します。気になるのであれば軸のタイトルなども編集してもいいと思います。マストかと言われると微妙な気が。

LOD 関連問題

だいたい 1 問程度入っているみたいです。私が見た 2 回分の問題はそれぞれネスト LOD と INCLUDE を使用するものでした。*9業務で使用しない人が LOD を習熟するのは経験上非常に難しいと思います。一応勉強しておくとすれば、公式ブログの表現が理解できる、自分で計算フィールドを書けるくらいで充分じゃないかと思います。というのも、ぶっちゃけ配点が低いので捨てるというのも戦略ではないかと思うからです。*10

とにかく、セクション 1 は時間をかけない、悩んだら後に回すというのが肝です。*11

セクション 2 - ダッシュボードを作成するための Viz 作成とダッシュボード作成

ここでは、4,5 枚の Viz を問題の指示に従って作成します。ひとつひとつの Viz はそれほど難しいものはないのですが、仮想デスクトップのカクカク感でなかなか進まない、データソースの接続から作っていく必要があるので時間を取られがちです。
まずは問題をよく読んで適切な Viz を作成すること、ダッシュボードとして統一感があるものを目指すというのが方針です。

Viz 作成

セクション 1 と似ていますが、データへの接続等イチから Viz を作成します。地図は必ず出るみたいなので、地図の作成とグループ化、階層化の操作は押さえておきましょう。*12シェープ ファイルを使用した問題もあったので、どうしても心配な場合はオープンデータなどで配布されているシェープ ファイルを触ってみることをおすすめします。*13
それ以外のチャートは棒グラフ、線グラフ、散布図、クロス集計あたりだったかと思います。セクション 1 と同じ 3 ステップで Viz を作成していきます。色だけ、後続のダッシュボード作成で指定されるロゴの色を使うなど適宜調整します。Viz 間で全然違う色合いにならないように注意します。極論全部同じカラーパレットでいいんじゃないかと。

ダッシュボード作成

これまで使用した Viz を使用して、ダッシュボードを作成します。サイズ等は指示があったような気がします。

  • ロゴ画像

ロゴ画像を使うように指示されている場合は適当に配置します。私は大体タイトルの左側 (つまりダッシュボードの左上) に配置することが多いです。これは機能を知っている、使用できることを問うていると思うので、どこかに配置されてればいいと思います。

ダッシュボードの機能を使用せよ的な指示が入っています。具体的にこれを使用しなさいといった指示はないので自分で決めていくことになります。普通にダッシュボード アクション (フィルター) が第一選択になると思います。他に使用できそうなものがあれば適宜どうぞ。

  • 体裁

体裁を整えます。Viz の配置は 4 枚なら田の字配置でいいと思います。各Viz が見切れないようにする、グラフの縦横の配置を調整する (グラフラベルが見切れないようにする)、タイトル、各 Viz のタイトル、凡例がターゲットです。

おそらく重要視されているのはタイトルと凡例の設定ではないかと思います。
ダッシュボードのタイトル (太字、濃色、大きめフォント サイズ) とその下にアクションやフィルターの説明など (デフォルト フォント サイズ) を入れます。凡例が言葉で説明できる場合 (濃色が数値が高い、淡色が数値が低いなど) はそれも追加し、Viz 内の凡例は必要に応じて削除します。*14
各 Viz についても同様に設定します。

全体を見て破綻がないかチェックします。色味、文字、アクションなど。ここまでやってあと 10 分は残っていて欲しいところです。

セクション 3 ストーリーを作成する

ストーリーの作成はやってるかやってないかが最重要です。とにかく何でもいいから作ること!簡単に作るテクニックを残しておきます。これであれば、10 分で間に合います。セクション 2 が終わった時点で数分残っていればとにかく絶対諦めないでください。

1. セクション 2 で作成した Viz とダッシュボードを複製する
インストラクションにも書いてありますが、Viz と ダッシュボードをストーリー用に複製しておきます。通常必要のない動作ですが、試験上セクション 2 の評価対象の Viz が壊れないように複製します。

2. Viz 1 枚ずつとダッシュボードの都合 5 ページのストーリーを作る
Viz や ダッシュボードは何も変更しなくて良いです。1 枚のストーリー ポイントに 1 枚の Viz を貼り、その Viz を要約したひと言をタイトルにします。(xx は yy で値が高い、zzzz 年に aaa はピークを迎えた、など) 時間がないなら Viz そのもののタイトルを貼り付けておく位でもいいんじゃないかと。ダッシュボードは結論的なタイトルが良いと思います。

3. 時間があれば注釈をつける
Viz 側の注釈ではなくて、ストーリーで用意されている機能の方です。機能ちゃんと知ってますよってアピールです。

最後に

時間が来たらファイルを保存してアップロードします。この辺は試験管が指示してくれます。あとは結果を待つのみ。
ここまで書いておいて気が付きましたが、事前の水分/糖分補給、トイレは確実に。どれが欠けても途中で辛くなります。


普段日常的に Tableau を使用している、使用するグラフを適当に決めていないという人であればほんの少しのポイントを押さえるだけで Tableau CP は合格できるようになると思います。試験の価格も高ければ、時間も長く、ある程度はビジュアル アナリティクスの概要を知っている必要はありますが、全く対策できないものではないのでぜひチャレンジしてください。Viz 作成のスキルとしては Desktop II までの内容が迷いなく操作できれば良く、知っておいた方がいい tips は多いけれども、*15技術的に難しいものはそれほどないという印象です。

*1:Purple とか Golden Orange とか 6 つか 7 つしかない

*2:パスワードはコピペできない

*3:試験の続行問題があっても試験管に伝えればトラブルシュートと再スケジュールは可能

*4:ぶっちゃけそんなに種類が出てくるわけではなさそう

*5:全く未編集だったら落ちたという話は聞いた

*6:Tableau フォントでいいんじゃないか。重要なのは編集した痕跡が見えることかなと

*7:線グラフの右端だけにラベルを入れる方法、特定の箇所だけラベルを表示する方法は知っていて損はない

*8:日本人は「xxについて」というタイトル書きがちですが、結論をひと言でまとめた内容の方がわかりやすい

*9:そもそも初見で似通ったディメンション名を判別するのが非常に辛かった

*10:私は確実にできていなかったという自信があります。それでも合格しました

*11:時間があったら戻ってくれば OK

*12:Golden Orange では郵便番号で表示できる区画群をざっくり 4 つに分割しろ、定義はない。というのがあったのですが、1 つ 1 つの区画が小さくて 4 つにグループ化するのが非常にしんどかった

*13:ジオメトリの扱いと詳細レベルの関係くらいは知っておいてもいいと思う

*14:重複した情報は消しても構わない

*15:古いけどまとめて Tips がわかる動画